【コラム】環境を変える

環境を変える

ドイツの社会心理学者クルト・レヴィンが唱えた
人間の行動を規定する公式があります。

 B=f(P・E)

 Behavior:行動
 Personality:性格
 Environment:環境
 Function:関数

 人間の行動は
 その人の性格と環境の両者の
 相互関係で決まるものである、とクルト・レヴィンは言っています。

言われてみればその通りですよね。

同じ環境にいても、性格が違えば行動は違ってきます。

また、

同じような性格でも、環境が違えば行動が違ってきます。

環境を変えるのは?

根本的な性格はそうそう変わりませんが、
環境は自分の意図を無視して変わることがしばしばあります。

 たとえば、学生時代のクラス替えや、
 人事異動で職場が変わったり、
 上司や同僚が変わったり、職種が変わったりと、
定期的に環境の変化が起こります。
(もちろん個人差はあります)


やはり、職場においては
日々、一緒に顔を合わせ仕事をする「上司や同僚」という環境は
大きく私たちに影響を与えているのではないでしょうか。


昔、こんなことがありました。

A上司のもとで働いていたBさん。
Bさんは、いつもA上司に怒られ委縮している感じでした。
Bさんの成績は思うように伸びず、
ついには、A上司からがダメレッテルを貼られてしまいました。

Bさんは、
“できない困った社員。更生が必要”
と誰もが思う状況に陥ってしまったのです。


Bさんは、A上司のところからC上司のところに異動になりました。
C上司のところには、Bさんのような
“できない困った社員。更生が必要”と
ダメレッテルが貼られらた社員が何人か異動してくるのです。

なぜかというと・・・

C上司のもとで働くと
“できない困った社員。更生が必要”と言われていた社員が


“できる社員”に変わるのです!!!!
なんとその後、エース級社員になっちゃうほどです。


不思議に思っていた私はC上司に
 「どうして困った社員ができる社員に変るんですか?
  何か特別なことをしているんですか」と

一度、質問したことがあります。


C上司は


 「特別なことは何もしていない。
  最初から困った社員なんかじゃなかった」と言います。


C上司が具体的にどんな風に指導していたのかわかりませんが、
ダメレッテルを貼られた社員の性格が
C上司のところに異動にしたとたんに変わったとは思えません。
変わったとしたら、環境です。
部下にとっては一番影響力のある
 「上司」という環境が変わりました。
 


C上司が言った
「最初から困った社員なんかじゃなかった」
  
という言葉は本当だったのでしょう。


環境が変わったことで
本来持っていた能力が引き出されたのです。
言い換えれば、
どんなにすばらしい能力を持っていても、
それが引き出される環境がなければ、
その能力は埋もれたままになってしまう可能性があるのです。



 職場での上司の影響力は極めて大きく、
 上司が部下の行動の行方を握っていることが大いにあります。



まず、部下の性格を把握し、
 上司が部下の能力を引き出せる環境、
 そして部下の良い行動を促すような
 存在になっていることを自覚しなければなりません。


時々、「研修やっても一時的にしか効果がない!」と
おっしゃる方がいます。


研修後、受講者の皆さんのモチベーションは高まります、
学んだことをやろう!と意欲満々です。


しかし、学びを実行する環境が整っていないと、
そこで終ってしまいます。


まさに「研修やっても一時的にしか効果がない!」状態。
ここでいう環境とは
言葉を換えると「風土」と言ってもいいかもしれません。
「相手を認めよう」と研修で学んでも
互いを認める風土がまったくなければ、
いくら研修やっても意味がありません。

こういう問題は、ものすごく起こっています。


風土(環境)は、トップだけが取り組むべき問題ではありません。
職場全体で取り組まなければ、風土改革はできません。



 職場全体が、メンバーの能力を引き出せる環境になっているか?

 お互い、メンバーの良い行動を促す存在になっているかどうか?


いかがでしょう?
皆さんは、
そんな存在になっていますか?


能力を引き出し、良い行動を促す
風土(環境)作りに貢献していますか?


風土(環境)が変わると、職場ががらりと変わります!


相手の能力を引き出しあい、
良い行動を促す存在でありたいですね。




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