【コラム】1分間コミュニケーション

1分間コミュニケーション

あなた自身、もしくは会社や商品の魅力を
1分で伝えるとしたら…どんな風に伝えますか?
エレベーターが目的の階に着くまでの短い時間で
自分や事業を相手に売り込み、
与えられたチャンスを活かす―これをエレベーター・ピッチといいます。
30秒から1分という短い時間のコミュニケーション。
チャンスをつかむ時間にするのか、
何気なく乗り過ごすのか…あなたならどんな風に時間を使いますか?
エレベーターに乗っていたら、
役員や取引先の方など重要な人物、キーマンが乗り込んで来る。
その短い時間で
約束を取り交わしたり、根回しをしたり、セールスしたり…
海外の映画でこんなシーン、よくありますよね。
これをエレベーター・ピッチといいます。
みなさんは、エレベーターに乗っている間
どんな風に過ごしていますか?
エレベーター・ピッチは、
シリコンバレーが発祥だそうです。
次のGoogleを目指す多くの起業家たちが
日々、プロの投資家たちに自分のビジネスプランをアピールします。
そんな中、
「起業家はエレベーターの中で投資家に会ったら、
 自分のビジネスプランを30秒で的確に伝えられなければ未来はない」と言われてきたそうです。
すごい世界ですね。
ここまでの世界ではなくとも、
“短い時間で、自分が言いたいことを相手に的確に伝える”というスキルは
ビジネスパーソンに必要ではないでしょうか。

報連相の研修でも、
「報連相は1分でまとめましょう」という話をよくします。
「ちょっといいですか?」と言い、
その後、10分も20分も相手を拘束してしまうのはNGですよね。
時間がかかる案件は別で時間を取って頂くとして、
日常の中の報連相は、できるだけ短い時間で確実に取って行きたいものです。
1分で話せる文字数は、だいたい300~400字ぐらい。
この文字数で、言いたいことを伝えなくてはなりません。
伝えたいポイントを短時間で伝えることができないと、
せっかくのチャンスを無駄にすることになります。

効果的な伝え方とは?

では、どんな風に伝えたらいいか?
よく使われる手法はPREP話法です。
 POINT=ポイント、結論「私が言いたいことは~です」
 REASON=理由「なぜならば~」
 EXAMPLE=事例、具体例「例えば~」
 POINT=ポイント、結論を繰り返す「だから、~なんです」
もちろんPREP話法を使うのは効果的なんですが、
一番お伝えしたいのは伝える情報の優先順位をつけること。
1分でまとめるというのは、あくまでも目安の時間です。
相手にどれぐらいの時間があるかは、話し手にはわかりません。
話し始めたら、急に電話が鳴る、誰かに呼ばれる、来客が来る…
こんな状況ありますよね?
1分でまとめておいても、30秒しか聴いてもらえないこともありますから、
伝える順番を工夫した方がベターです。
その工夫とは、新聞やニュースの原稿の構成がとても参考になります。
新聞やニュースは、
 「今日、午後6時頃●●事件が起こりました」…見出し(一番言いたいこと)
 
 「詳しくは~でした」…本記
 「~理由(原因)でした」…理由や原因
 「明日には~です(現在~しています)」…見通し
 「ちなみに~もありました」…エピソード
こんな構成が多いですよね。
新聞やニュース原稿は“逆三角形で書け”と言われているそうです。
逆三角形とは、分量のことではなく
ニュースバリューが大きなものから書くということ。
つまり、伝えなくてはならない
重要なこと、価値あることから伝えるということです。
特にニュースでは、放送時間の都合で
用意した原稿を全て読み切れないこともあるため、
原稿を削ることがあり、その時は、原稿の最後から削るそうです。
見通しやエピソードは
削られる可能性が高い部分なんですね。
この考え方は、ビシネスシーンにおける
1分間コミュニケーションにも応用できます。
自分が伝えたい情報に優先順位をつけ、
途中で、時間がなくなったとしても、
自分が伝えたいことだけは、ちゃんと相手に伝わっている。
1分は短い時間といえば短いのかもしれません、
しかし、伝え方を工夫すれば、伝えたいことが伝わる十分な時間にもなります。
1分間コミュニケーション、ぜひお試しください。
*新聞やニュース原稿の構成は
 池上 彰さんの「わかりやすく伝える技術(講談社現代新書)」
 から引用させて頂きました。
 こちらの本には、池上さんが報道の現場で培った
 伝える技術のノウハウが詰まっています。
 伝える力を高めたい方には、オススメの一冊です!
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