【コラム】~説得はNG!~

~説得はNG~

昨年、ご協力頂きました
職場内コミュニケーション調査2010年度版の
プレスリリース
を発表しました。


翌日、中日新聞朝刊に、
調査結果が取り上げられました。
調査結果の中でも
私が一番、興味深かったのは
叱りにくい相手がいると感じている人が
75%もいたということ。

4人に3人は、そう感じられているんですね・・・
皆さんはいかがですか?

肯定的意図を探る


どういうタイプが叱りにくいと感じるか?という問いに対して、
 1位:反抗的、感情的
 2位:年上
 3位:話を聞かない、言っても聞かない
という結果が出ました。
一言で言えば、
 こちらが言うことを、すんなり聞き入れてくれないタイプですね。
 
確かにそうですね、
すんなり聞き入れてくれれば、
何の苦労もありません。
叱ることにも躊躇がなくなるでしょう。



しかし・・・
 なぜ、反抗的な態度をしたり
 言っても聞かないんでしょう?




むかし、むかし
私が小学生の頃の話です。
算数の授業でテストがありました。
私が苦手な分野のテストで、散々な結果でした。


いつもなら、親にテストを見せるのですが、
その算数のテストは見せずに隠してしまいました。
「テストは?」と聞かれても
「まだ返ってきていない」と嘘をつき
その場を取り繕うのですが、
こういう嘘はすぐばれます。
「何で隠したんだ?!嘘をついたんだ?!」と
ひどく怒られました。。。
怒られて当然なのですが、納得がいかない。
溢れる涙は、怒られて・・・とうより、
 “わかってもらえない悲しさ”の涙。
 
テストを隠し、
嘘をついたのはいけないことです。
でも、その行動の裏側には
「怒られるから」というより、
「期待している親を悲しませたくない」という気持ちがあったんです。



人の行動には全て“肯定的意図”があります。
どんなに否定的に見える行動でも、
自分には理解不能な行動でも、
その行動をとった本人には肯定的な意図があるのです。



私の場合は
テストを隠す、嘘をつくという行動により
親の悲しむ顔を見たくない
あるいは
親からの期待を下げたくない、期待されていたい
という意図があります。
意図とは言葉を変えれば、
その行動をとった本人が得たいものとも言えるでしょう。


人はこの肯定的意図が否定されてしまうと
心の扉を閉ざそうとします。
あるいは
反抗してでも、肯定的意図の実現しようとします。
しかし、私たちは
 「何とかわかってもらいたい」と思い、
 一生懸命、説得しようとします。
これも説得する側の肯定的意図があってのこと。



説得しようとすればするほど、心の扉は閉ざされ、反抗される、
そしてますます、一生懸命、説得する・・・悪循環。
お互いの肯定的意図のぶつかりあいです。
 


この悪循環を打破するには、 
その行動をした肯定的意図を認め、理解してあげることです。
肯定的意図を認め、理解してもらえた瞬間、
相手は心を開いてくれます。
叱るのは、その後です。
心が開き、聞き入れてくれる状態を作ってから。




もし、あの時
親が私の肯定的な意図を理解してくれていたら・・・
“わかってもらえない悲しさ”の涙ではなく
“わかってもらえる喜び”の涙だったかもしれません。



説得はダメですよ。
目指すは納得と共感です!
その為には、
 相手の肯定的意図は何だろう?
 相手は何を得ようとしているんだろう?
と、考えてみて下さいね。




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