NEW TOPICS

【コラム】上から目線

上から目線


研修の中で、

「嫌な叱り方はどんな叱り方ですか?」というテーマで

ディスカッションして頂く時間があります。

その中で、よく出てくるのが

「上から目線で言われると気分が悪い」という意見。

最近、よく聞きます。


 「上から目線の物言いに気分が悪くなった」

 「なんであんなに上から目線なの?!」

 「上から目線の言動、どこからあの自信出てくるの?!」


など

“上から目線”という言葉。

“上から目線”に敏感な方が多くなったのでしょうか?


今回は“上から目線”の心理を考えてみたいと思います。

言う側、受け取る側



今回このテーマを取り上げるきっかけになったのは、
この一冊に出会ったからです。


「上から目線」の構造 榎本博明(日経プレミアシリーズ)


研修の中のディスカッションでよく出てくる

“上から目線”という言葉。

なぜ、そんなに“上から目線”という言葉が出てくるんだろう?

なぜ、人は“上から目線”が気になるんだろう?

と思っていたところにこの本に出会いました。


みなさんは

“上から目線”が気になる方ですか?

あるいは、

ついつい“上から目線”になってしまう方ですか?


自分よりも経験や知識が豊富の相手から

助言、アドバイス、注意をされても当然だと思うのですが、

そういう場合でも、上から目線ととられ受け止めてもらえない。

こちらとしては、

相手のことを想い言った言葉でも

相手にとっては、余計なおせっかい、不快なものにしてしまう場合があるようです。


なんでこんな風になってしまうんでしょう・・・


お互いがお互いの言い分、考えがあると思うのですが、

“上から目線”は、

言う側、受け取る側、どちらが悪いとかではなく

双方に問題がありそうです。


まず、“上から目線”が気になる・・・という方の場合。

なぜ、気になってしまうのか?

それは、心の中に“見下され不安”があるから、

と本では解説されていました。


人より優に立ちたい想いが強いのに
現実にはなかなか優位に立てない。
自信がないから相手の上から目線を過度に気にしてしまう。


自分が勝っている、優位に立っていると
思えれば良いですが・・・


そうでない時、不安や恐れが強まり
優位に立ってると見せたいと思い尊大な言動をする。


 その言動が

「上から目線で言うのやめてもらえますか?」

実際、言葉に出さなかったとしても

心の中でその言葉が浮かぶ。


見下され不安は

劣等感コンプレックスが深く影響しているようです。


劣等コンプレックスが強いと

物事の捉え方、判断が

「上、下」、「勝ち、負け」など

他者と比較をして捉える傾向が強いです。


また、自尊心が低くなりがち。

自尊心とは

自分を大切にする気持ちや

自分の思想や言動などに誇りを持っている状態。

簡単にいうと

「自分が好き」という気持ちでしょうか。


見下され不安が強い人は

他者からの言動をネガティブな方向に歪めて
捉えてしてしまう傾向があるようです。

相手は見下したつもりはないのに
見下されたと被害者意識に満ちた解釈をしてしまう。

その結果、相手に自己防衛的で攻撃的な言動や考えに陥ってしまう。

それが

上から目線を気にする心の中なんです。


 「自分は見下されているのではないか?」
 という不安、恐れを抱けば抱くほど

有益なアドバイスや情報も
こちらに対して優位を誇示する材料として受け止めてしまい
感謝をすることができず、それどころか反発心が生まれてしまうのです。


相手の言葉の内容云々ではなく
どうやら受け止める側の心によって
“上から目線”は生まれているようです



続けて、伝える側の問題。

 ・必要以上に威張り散らす
 ・言い分を聞かずに一方的に押し付ける
 ・持論が強すぎ他者を否定する言動
 ・何でも独りよがりに決めつける
 ・やたらと偉ぶる、人前で横暴な態度をとる
 ・自慢話が多い


こんな風になってしまう方いませんか?
あるいは身近にいらっしゃいませんか?


伝える側も受け止める側同様、

「自信のなさや不安、恐れ」があるようです。

「不安や恐れを見透かされたくない、軽く見られたくない」という自己防衛。

やはり伝える側も

劣等コンプレックスに支配されているようです。


 自分に自信がないため、
 虚勢を張って自分を大きく見せようとする。

本当に相手に

その結果

横暴な態度、決めつけるような言い方、ひけらかす姿勢となって表れてしまう。


「成長して欲しい、良くなって欲しい」という

親心で伝えているなら問題ないんですけどね・・・。

自信のなさの自己防衛、攻撃で発した言葉は

相手に響きません。

むしろ見透かされ、信頼関係を壊します。


受け止める側にも、伝える側にも

「心の成長」が必要なんでしょうね。


 
自尊心高く心が成熟した人は、
コンプレックスに振り回されません。

本の中でこんな一節がありました。


 

 自信のある人は自分を変えることにそれほど抵抗はないが

 自信がない人は今の自分にこだわる。

 指摘を受けると自信のない人は

 自分が全否定されたかのように感情的な反応を示す。


 

自信があれば人の意見に耳を傾ける心の余裕があるはず。

アドバイスを取り入れれば

もっと今よりももっとよくなれるはず。


 
“上から目線”

 私たちの心の未熟さの表れのようです。


どちらが正しい、正しくない・・・ではなく、

互いに、自分の心の未熟さに気づき、

心を豊かに成長させていくことが必要なのではないでしょうか。

この本を読んでいて

私のこと?!

と反省する点が多かったです。

“上から目線”・・・奥深いですね。

上から目線をあらゆる角度から解説した

とても面白い一冊でした。



質問・お問い合わせはこちらまで

by Musee | 2012.01/01 | コミュニケーションコラム, 伝え方