【コラム】ハートよりもテクニックか?

ハートよりテクニックか?

ある企業様での研修のあと、参加者の1人の方から
こんな質問をされました。
「やはり、テクニックが大事なんでしょうか?」
研修では、
やる気を高める言葉掛けやコミュニケーション
の取り方などをお伝えしていますが、
たまに、先程のような質問を受けることがあります。
みなさんはどう思いますか?
この質問に対して私は、
「はい、テクニックは、もちろん大事ですよ」と答えました。
しかし・・・テクニックだけではダメなんですね・・・。
前職で私は、
厳しい指導をする上司、先輩と思われていました。
泣かせてしまうこともありましたし、
厳しいことばかり言い「辞めたい」と言われることもよくありました。
そんな私のもとに、後輩から一枚の手紙が届きました。
「正直、齋藤さんの指導は、鬼かと思いました。
 何度もくじけそうになりました。
 “本当に、もういい”・・・
 そう自分に言った回数は数え切れません。
 
 しかし、今の自分があるのは、齋藤さんの愛があったからだと思います。
 要領が悪く、覚えも悪い。
 そんな僕を諦めずに、ここまで指導してくれて、
 本当にありがとうございました。
 感謝しても、しきれないぐらいに感謝しています。」
後輩の了承を得て掲載していますが、
この手紙の文面から、
相当、厳しかった・・・というのが伺えるでしょう。
「鬼」なんて言われたのは初めてでしたが、
率直にそう感じていたんだと思います。
部下指導に、“愛”なんて言葉を使うと、
安っぽい、あるいは重く感じられるかもしれません。
しかし、忘れてはならないのは、
“テクニックよりもハート”であるということ。
どんな言葉で伝えるか、ということも大切ですが、
それ以上に、どんな想いで伝えるか、ということの方が大切です。

想いがあるからこそ、相手の心を動かすことができると私は思います。
想いはからっぽで、テクニックだけ関わっても
相手に、簡単に見透かされます。
見透かされるどころか、関係性を壊し、
相手を傷つけてしまうかもしれません。

どういう想いで使うのか

テクニックは道具と同じです。
例えば、ナイフという道具―料理を作って、
愛する人を元気にしたい人は、
美味しい料理を作ろうとナイフを使うでしょう。
しかし、憎しみ、怒り、嫉妬で心が一杯に
なっている人にナイフを渡したら、
人を傷つけてしまうかもしれません。
つまり、道具というのは、
どのような想いで、使うかによって、結果が変わって来ます。
ですから、テクニックを使う前に、
どういう想いで道具を使うのか考えて頂きたいのです。

この順番を間違えてはいけません!!!
多少、言葉が足りなくても・・・
テクニックが使えなくても・・・
上手に伝えられなくても・・・
そこに想いがあれば、必ず伝わります。
テクニックを身につけることも、もちろん大切です。
テクニックを身につけることで、
うまくコミュニケーションが取れるようになり、
周囲との関係性もよくなっていくきっかけになることもあるでしょう。
そして、形だけは上手く行っているような感覚に襲われます。
しかし、小手先のテクニックだけに頼らないで欲しんです。
テクニックだけでなく、ハートがそこにあることで、
思わぬ感動、喜びが生まれ、強い関係性が築かれるのではないでしょうか。

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